これだけは知っておきたい「転職」の基本20選

10.転職先の企業選びをするときに押さえておきたいポイントとは

希望したような形で働けないと転職したいと思うようになることもありますが、企業の選び方で悩んでしまって転職活動を始められないケースも多々あります。どのような基準を設けて、どんな方法で情報を集めていくと魅力的な企業で働けるようになるのでしょうか。押さえておきたいポイントを紹介するので参考にしてください。

企業選びの基準を設けよう

転職したいと考えたときにどんな基準で転職先の企業を選ぶと良いかをまず確認しておきましょう。最も重要なのはなぜ自分が転職したいと考えているのかを分析し、不満を解消しつつ希望を叶えられるような条件を導き出すことです。給料が低くて納得できない、キャリアアップが難しい、やりたい仕事に従事できないなど転職したいと考える理由は人によって異なっています。そのため、誰もが共通して適用できる基準があるわけではありません。まずは状況分析から始めて企業選びの基準を設けるようにしましょう。

現職に対する不満や転職先に対する希望は一つ限りということはあまりないでしょう。分析を通じて企業選びの基準を設定するには、不満や希望をリストアップするのが大切です。それに加えて、現職で満足している点についても別のリストとしてまとめておきましょう。今まで満足してきた点は転職先でも満たされていないとまた不満が生じてしまうことになりかねないので最低基準とするのが無難です。その上で、不満の解消と希望の実現をするための条件を具体的にリスト化して順位付けをしましょう。きちんとまとめておくことでスムーズに転職先の候補を取捨選択できるようになります。

具体的にはどんな基準が考えられるのでしょうか。まず、企業の事業方針が自分の考え方に合っていないとモチベーションもエンゲージメントも低下してしまいます。企業理念やビジョンなどを参照し、このような考え方で運営されている企業なら共感できるというのを確認するのは必須です。また、転職したときにその事業方針の中でどんな役割を果たすのが自分にとってやりがいがあるのかを考え、その仕事に従事できる環境があることも重視するのが大切です。これに加えて給与や福利厚生、勤務条件や勤務地なども考慮し、実際に働いて納得できるのかを考えてみるようにしましょう。

企業研究の仕方を知ろう

企業選びの基準をリスト化して準備することができたら、実際に希望する条件を満たしている企業なのかどうかを判断するために情報収集をする必要があります。そのためには徹底した企業研究をすることが必須です。リストアップした条件が満たされているかどうかを確認するために必要な情報を収集するのが企業研究の主な目的ですが、さらに周辺情報も集めておくことと失敗のリスクが低減されるでしょう。

転職活動のときには求人が出ていないと応募することはできないので、求人票を探して情報を得ることも重要です。求人票には企業の概要に加えて募集職種の業務についても記載されているのが一般的です。給与や福利厚生、勤務条件についても具体的に確認できるので必ず参照するようにしましょう。求人票のソースによって企業概要や職務内容に関する詳細さが異なるので、同じ企業からの求人票を色々な求人ソースから探して情報を総合してみるのも大切です。

企業研究をもっと徹底して行うためには転職先の候補とする企業のオフィシャルサイトや広報誌から情報を得ることが大切です。企業の沿革や経営理念、プレスリリースや中長期事業計画が発表されている企業が多く、今までどのような事業を展開してきたか、これからどのようにして事業を展開していくかが明確にわかります。また、組織体制や事業所の詳細についても確認できることから、転職すると企業内で果たす役割やその貢献による社会への影響などについても把握することが可能です。

一方、就活生や転職志望者に向けたセミナーやフェア、企業説明会が実施されていることもあるので活用しましょう。参加するとパンフレットなどの情報源を手に入れられるだけでなく、各企業から事業説明を受けられたり、個別相談をしたりすることが可能です。必ずしもどの企業も実施しているわけではありませんが、候補にしたいと考えている企業や働きたいと思っている分野のセミナーなどがあったら積極的に参加して情報を集めましょう。

転職エージェントの活用のコツ

企業情報を獲得して基準を満たしているかを判断するための方法として転職エージェントも活用できます。転職エージェントは転職志望者を総合的にサポートしつつ、求人を紹介してくれるのが特徴です。転職先の候補を挙げてもらえる点でも魅力がありますが、企業とのコネクションが強いので求人票やオフィシャルサイトなどに記載されていない情報を持っていることがあります。また、希望すれば欲しい情報を手に入れてきてくれる可能性もあるのは大きなメリットでしょう。

転職エージェントを企業研究の情報源として活用する上では公開情報から取得するのが困難な情報を聞き出すのが肝心です。例えば職場の雰囲気や残業・休日出勤の実態、上司になる予定の人の性格や人柄など、公にはされていない情報を提供してもらうことができます。経営理念と現場の業務が合致しているのか、新規事業の開拓は進められているのかなどといった事業に関わる情報も要求できる場合があり、企業の将来性についても転職エージェントと相談しながら分析することが可能です。また、公開されている情報であっても疑問点があるときには質問できるので、気軽に聞いて納得した上で応募先を決めるようにしましょう。

求人票の見方を理解しよう

実際に応募先の企業を決めるときには求人票を熟読し、必要な情報を取得して本当に転職先として魅力的なのかを判断することが必要です。求人票は簡潔にまとめられていて、給与の目安や勤務時間、勤務日、年間休日日数などに加え、福利厚生として何が与えられるかも記載されています。業務内容についても端的に示してあり、転職したらどんな仕事をするのかも想像できるでしょう。ただ、公開情報として競合他社の目に触れることを前提に求人票が出されているため、一つ一つについて詳細が書かれているわけではありません。その限られた情報を最大限に活用にするには求人票を見る目的が何かを明確にしておくのが大切です。

まずは自分が企業選びの基準とした点が満たされているかを確認しましょう。例えば完全週休二日制でなければならないと思っているなら、休日についての記載を見て合致しているかを調べれば良いということになります。一方、給与がいくら以上であって欲しいというときには、通常は求人票には年収いくら以上いくら以下という記載になっているので、その範囲内に含まれているかを確認するのが大切です。このような曖昧な表記の場合には、求人に応募して面接のタイミングで質問する事項としてリストアップしておきましょう。このように希望条件を満たしていることと、面接で聞くべき内容を明確にすることが求人票を見る上で重要なポイントです。

面接も重要な情報源として活用しよう

本当に転職先として決める企業を最終的に選び出すためには採用面接の現場も活用するのが肝心です。上述のように求人票を見ても不明瞭な点はたくさん出てくるのが普通で、抱えている疑問は全て解決して納得した上で入社するのが成功の秘訣です。さらに、面接の場は情報源としても活用できるということも押さえておきましょう。通常、面接は二回か三回に分けられていて、一回目が企業説明と人事担当者による面接となっています。その企業説明では公開されていない情報も含んでいることも多く、面接の場で新たな企業情報を取得できるのです。企業としてはそれを加味して本気で転職先として選びたいのかを判断させようとしてくれています。

この企業説明のタイミングで公開情報や転職エージェントからは取得できなかった情報を得るために質問をすることもできます。質問をするのは企業に興味を持っていることを示すことにもなるため、有利に働く可能性が高いということも念頭に置いておきましょう。二回目以降の面接でも専門職や役員などに直接質問でき、人事担当者ではわからなかったことも具体的に答えてもらえます。意欲を示しつつ転職先として決定すべきかを判断する機会になるので面接は積極的に活用するのが大切です。

企業研究を通して最良の転職先を選ぼう

転職先の企業選びは悩みになりがちですが、転職後に求める条件を明確にして基準を満たす企業を選べば納得して働けるようになります。求人票や転職エージェントなどの情報源の特性に基づいて最大限に活用し、企業研究を進めるのが成功のコツです。面接で得られる情報も多いことを念頭に置いて、候補企業には応募して最良の転職先を選び出しましょう。

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