これだけは知っておきたい「転職」の基本20選

8.転職者は必見!事例を使った履歴書・職務経歴書の書き方

これから転職を検討している人の最初につまずくポイントとなるのが履歴書と職務経歴書です。転職者の中には、書き方がわからない、書類を使った効果的なアピール方法を知りたい、小さなミスで落とされたくないと考えている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、転職者の疑問や不安を解消できるよう、履歴書と職務経歴書の具体的な書き方を事例を紹介しつつ紹介します。

まずはフォーマットを用意しよう!

転職時に必要な履歴書と職務経歴書の書き方には厳密なルールが定められていません。そのため、細かい内容は応募者自身が自由に設定できるようになっています。ただし、学歴や職歴、志望動機、自己PRなどは採用の判定基準となる重要なポイントなので、項目を設けておく必要があります。また、転職が初めての場合は、転職サイトやエージェントなどで無料配布されている履歴書と職務経歴書のフォーマットを利用してみましょう。フォーマットの種類は豊富で、退職理由や希望条件が記載できるものや、自己PRのスペースが大きく取られているものなどがあります。

フォーマットを利用する際は、事前にどのポイントを重点的にアピールしたいのか決めておきましょう。そのポイントに合わせてフォーマットを選択することで、より効果的に自分の長所や能力をアピールできる履歴書と職務経歴書を作成できます。また、用意されたフォーマットに理想的な形のものがなければ、自分で編集することも可能です。履歴書と職務経歴書ごとに、フォーマット内へ設けておいたほうが良い項目は以下のようなものがあります。

#履歴書
履歴書は自分の経歴や能力、志望動機などを簡潔にアピールするための資料です。そのため、さまざまな情報を網羅的に記載できるフォーマットを用意しましょう。具体的には、次のような項目を設けておきます。

  • ・学歴や職歴
  • ・志望動機
  • ・趣味や特技
  • ・資格
  • ・自己PR

#職務経歴書
職務経歴書はより詳細な経験、実績、能力などをアピールできる書類です。在籍していた会社や職種、仕事内容なども記載する必要があります。履歴書ではアピールしきれない自分の能力をアピールするためにも、より詳細な項目を設けましょう。

  • ・職務要約
  • ・勤務先企業
  • ・持っているスキルや知識
  • ・工夫したこと
  • ・転職理由

履歴書の書き方

履歴書は自己紹介として活用できる書類であるほか、自分の人生や経験してきたことを証明する重要な書類です。そのため、自己PRや志望動機など自分をアピールできる項目以外に関しても書き方を理解して丁寧に仕上げる必要があります。

#学歴と職歴の書き方
学歴を記載するときは、学校名や学部名を省略してはいけません。さらに、高校入学時から記載するので、私立○○高等学校 入学や○○大学経済学部経営学科 入学などと記載します。応募企業で活かせることを学んでいた場合は、具体的なコースや研究テーマも記載しましょう。職歴は時系列で在籍していた会社名を略さずに記載します。具体的には、○○株式会社 入社と記載し、この下から業種と従業員数、職務内容などを簡潔に書いていきます。すでに退職している場合は退職した年月と一緒に、一身上の都合で退職と理由も記載しておきましょう。退職予定の人は、令和○年 ○月株式会社○○○○退職予定と記載しておくと採用担当者に伝わります。

#志望動機と自己PRの書き方
志望動機と自己PRは自分の能力と入社意欲の高さをアピールする重要な項目です。志望動機は退職理由ややりたいことなども含めつつ、説得力のある内容を心がけましょう。具体的には「現在、私はソフトウェア会社のプログラマをしています。20人規模のチーム体制で業務にあたっているため、個人の能力や価値が見えにくい状況です。貴社であれば、個人や少人数で仕事ができると伺っているので、自分の価値を明確にできると思い応募しました。これまでの経験で得た知識やスキルを活かして、貴社の開発現場でも活躍したいと考えています。」といった内容です。

自己PRの場合はこれまでのエピソードを交えると、人間性や仕事への姿勢などもアピールできます。次のような例文を参考に、自分なりの自己PRを作成してみましょう。「私は地道に努力を重ね仕事ができる人間です。これまでSEとして働いてきましたが、新人の頃から自分の仕事の幅を広げるために必要な資格の取得を目指してきました。入社して2年目には基本情報技術者試験、4年目には応用情報技術者試験に合格しています。これらの資格を取得したことによって、より上流工程での業務や、リーダーポジションでの仕事ができるようになりました。貴社へ入社後もこれらのスキルを活かしつつ、将来的にはマネージャーというポジションで活躍したいと考えています。」

#趣味や特技、資格の書き方
趣味や特技は実際の業務とは関係のない領域ですが、人柄や社風に合う人間かどうかをアピールできるポイントです。具体的な書き方としては、サッカー、アウトドア、読書など箇条書きで自分の趣味や特技を記載します。そして、それぞれの項目の下に具体的な内容を記載するだけです。例えば、サッカーが趣味の場合、「学生の頃からの友人たちとチームを組んで、休日になると一緒に練習や試合をしています」など簡潔に記載しましょう。資格に関しても、取得した資格を箇条書きで記載します。取得を目指している資格があれば、○年○月に取得予定と記載すると、勉強していることをアピールできます。

職務経歴書の書き方

職務経歴書は自分の経験や実績、能力を掘り下げてアピールするための書類です。各項目で何を掘り下げてアピールするのかを理解しておきましょう。

#職務要約と勤務先企業の書き方
職務要約は自分の経歴を簡潔に伝える項目です。100~150文字程度を目安に記載しましょう。例えば「大学を卒業後○○株式会社に入社。企画部にて商品開発やマーケティングに取り組んできました。自身の担当した販促プロモーションにより、新たなターゲット層の獲得に成功した経験もあります。現在は5人のチームリーダーも任され、マネジメント経験もしています。」という内容です。勤務先企業はこれまで在籍していた企業の名前や規模、事業内容、自分の業務内容などを記載します。簡潔にまとめるので、全て文章である必要はありません。

具体的には、株式会社○○、従業員数1,000人、主な事業は玩具の製作や販売、営業や販売業務を担当、という内容を箇条書きで記載します。

#スキルと知識、工夫したことの書き方
これまでの経験で得たスキルや知識は、入社後どう活かすかということもアピールすることが大切です。ただスキルや知識をアピールしても、入社後の働き方を採用担当者がイメージできなければ、効果的なアピールにはならないので注意しましょう。具体的には、以下のようなアピール方法があります。

  • ・営業で得たスキルを活かして、ユーザーにマッチした商品やサービスを提供できる
  • ・商品企画で得た知識とスキルで市場調査が行える
  • ・事務職での経験を活かし、顧客情報の入力や管理方法をよりシンプルに行う

また、工夫したことに関しては、これまでの仕事をどのように工夫し成果をあげてきたのかアピールします。業務改善にフォーカスを当ててアピールする場合、発注ミス軽減のために受注システムの入力項目を簡略化した、ヒューマンエラー防止を目的に全ての作業をマニュアル化、などの内容です。さらに、入社後に貢献できることをアピールするためにも、組織課題を改善したいといった内容も記載しておくと、採用担当者にポジティブな印象を与えられます。

#転職理由の書き方
転職理由に関しては、ポジティブな内容を書くことを心がけましょう。ネガティブな内容(上司が嫌だった、仕事が向いていなかった)は、自社へ入社したあとも同じような理由で退職するのではないか、と思われてしまう恐れがあります。具体的には、以下のような理由を記載します。

  • ・キャリアアップを目的に退職した
  • ・自分の仕事の領域を広げたいと考えた
  • ・貴社の事業内容や理念に強く共感した

中でも、事業内容や理念への共感を記載する場合は、その裏付けとなる理由も記載しなければなりません。これまでの経験やこれからやりたいことなども明確にし、説得力を持たせられるようにしましょう。

履歴書・職務経歴書を書くときの注意点

履歴書と職務経歴書を書く際は、内容に矛盾がないことや、誤字脱字、読みやすい文章などを意識することが重要です。特に、内容に関しては志望動機や自己PR、活かせるスキルなどに一貫性を持たせなければなりません。活かせるスキルがチーム内での円滑なコミュニケーションで、自己PRには1人で努力して成果をあげられるといった内容を書いてしまうと矛盾が生じます。履歴書と職務経歴書が完成したあとは全体を通して読み直し、つじつまが合うかどうかを十分にチェックする必要があります。

基本的な書き方からマスターしよう!

履歴書と職務経歴書で少しでも自分を大きくアピールしようと、初めから奇抜な内容や大げさなアピールポイントは書かないようにしましょう。内容が矛盾していたり、根拠が示されていなかったりして、採用担当者にマイナスな印象を持たれかねません。まずは基本的な書き方を理解して、等身大の自分をアピールできる内容に仕上げることが大切です。

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